2017年8月22日火曜日

今週の今昔館(73)城北バス住宅 20170822

〇今昔館の近代展示室を愉しむ(7) 城北バス住宅-転用住宅と戦災復興- 

 今回は、「住まいの大阪六景」のひとつ、「城北バス住宅-転用住宅と戦災復興-」の模型をご紹介します。

城北バス住宅-転用住宅と戦災復興-(住まいの大阪六景)

 終戦後、迫り来る冬を前にして、住む家が無い戦災者や引揚者への緊急措置として、仮設住宅が建設されるとともに、旧兵舎や寮・学校、バスなども一時しのぎの住宅に転用されました。バス住宅は、木炭バスの廃車体を焼け跡や空き地に置き並べたもので、狭くて劣悪な点では壕舎住宅やバラックと同様でしたが、バス住宅などの転用住宅は大阪市の経営する市営住宅の一つであり、自然発生的に個人が応急的に作ったバラック類とは、性格を異にするものでした。住まいの大阪六景のひとつとして展示されている「城北バス住宅-転用住宅と戦災復興-」は、史実に基づいて制作された模型です。

城北バス住宅平面図・配置図(まちに住まうー大阪都市住宅史)

 くらしの道具の変遷の展示のバックの壁面には「近代都市住宅年表」があります。明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたものです。
 この年表の下の段には各時代の代表的な住宅の立面図が同じスケールで描かれています。「城北バス住宅」もあります。


城北バス住宅(近代都市住宅年表)

 終戦後、昭和23年に米軍によって撮影された写真です。時計の文字盤のようにバスが並べられている様子が写っています。共同の炊事場・便所の小屋もよくわかります。

昭和23年米軍撮影の航空写真(国土地理院)

 なぜこの場所に応急仮設のバス住宅が建設されたのでしょうか?ヒントはもう一枚の地図です。国土地理院地図に「明治時代の低湿地」と呼ばれる地図があり、明治20年頃の水路や湿地の様子がわかります。

 水色の部分が明治40年の淀川大改修以前の淀川の流れです。バス住宅の位置は以前は川の中にあったことがわかります(地図中の+印)。当時の住所は「旭区豊里町」となっていますが、豊里町は淀川北岸の現在の東淀川区にある地名です。淀川大改修によって、新しい川の南岸に飛び地として残され、旭区に編入されましたが、地名は以前の地名が残されたことがわかります。また、現在埋め立てられて阪神高速道路が通っている江野川は排水のために水路として残されたものです。現在の城北公園内にある池や菖蒲園も、旧淀川の川筋であったことが確認できます。
 さらに、今昔マップ3を使って、明治41年の地形図を見ると、旭区と守口市の境界も旧淀川の川筋によって決まっていることもわかります。昭和22年の地形図を見ると、バス住宅の建っている位置は、当時空地であったこともわかります。
水色が改修前の淀川(地理院地図・明治時代の低湿地)
明治41年・昭和22年・平成7年の地形図、最近の航空写真の城北付近(今昔マップ3)

 今回は、「住まいの大阪六景」のひとつ、「城北バス住宅 -転用住宅と戦災復興-」の模型をご紹介しました。


〇第12回子ども落語大会を開催します
開催日時 平成29年9月10日(日) 午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷
参 加 費 : 無料(参加者の御家族1名は無料です)
対 象 : 中学生以下
内 容  : 落語・小噺・おもしろい話など、なんでもOK!
持ち時間 : 一人10分以内(時間厳守のこと)
申込方法 : 往復はがきに住所、氏名、年齢(学年)、電話番号、演目、
 ありましたら舞台名、見台の要否、「出場に際してひとこと!」
 を明記の上、下記申込先へ往復はがきでお申し込みください
 申込者が多い場合は抽選となります
申込締切 : 平成29年8月25日(金)まで
申込・問合せ先
     〒530-0041
     大阪市北区天神橋6丁目4-20
     大阪くらしの今昔館「子ども落語大会」係
     TEL 06-6242-1170
備 考  : 本大会の入賞者は、10月8日(日)午前10時から、天満天神繁昌亭の
     舞台に出演していただきます

〇企画展示「夏休みだよ!家電採集 昭和レトロ家電 ―マスダコレクション展―」~今月中の開催です~


 平成29年7月29日(土)~8月31日(木)
 開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)

 大阪くらしの今昔館ではおなじみとなった昭和レトロ家電の展覧会が、今年は夏の開催となりました。本展では、増田健一氏が20年以上にわたり収集してきた昭和レトロ家電コレクションから、昭和30年代の懐かしい家電やアイデアあふれる珍しい家電をよりすぐり、約150点を公開します。また今回は家電のほかに、ハミガキ、洗剤など当時の生活雑貨やそのポスター等も展示します。夏の一日、昭和レトロ家電の世界をどうぞお楽しみください。
詳しくはこちらからどうぞ。
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html



〇今週のイベント・ワークショップ

8月23日(水)~26日(土)、28日(月)、30日~9月2日(土)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

8月27日(日)、9月3日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00

8月26日(土)
イベント 町家寄席-落語

江戸時代にタイムスリップ!大坂の町で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸 他
14時~15時

町家衆イベント ワークショップ『ミニすだれを作ろう』
①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

8月27日(日)
町家衆イベント 絵本で楽しい時間

むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。
じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00

9月3日(土)
町家衆イベント 町の解説

江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

9月9日(土)
ワークショップ 『張り子のお面を作ろう』

①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費300円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

9月10日(日)
町家衆イベント おじゃみ(有料)

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00

イベント 第12回子ども落語大会
開催日時 平成29年9月10日(日) 午後12時~17時(予定)
開催場所 : 大阪くらしの今昔館 9階常設展示場 薬屋座敷


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。


大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
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